体臭・加齢臭の原因は、タンパク質の取り過ぎかもしれませんよ。
実はタンパク質を取り過ぎると、吸収されなかった分は、毒になるんです。
今回はタンパク質と体臭の関係について、解説していきます。
タンパク質とは?
タンパク質はアミノ酸が、約50~1,000結合した化合物です。
そして、タンパク質は体のいたるところに、存在しています。
筋肉・内臓・皮膚・髪・骨・歯など様々な場所です。
人体の約60%は水分でできていますが、15~20%はタンパク質でできています。
さらに、体の機能的な部分にも、タンパク質は関わっており、「体の機能を調整するホルモン・消化と吸収・刺激を受け取る受容体」にも影響しています。
タンパク質は毒になる
私たちの体にとって、タンパク質は重要の働きをしていますが、多く摂取しすぎた場合は、不要となります。
そして、不要なタンパク質は排出されますが、その量が多すぎると、全てを体外に排出できません。
では、タンパク質は体の中でどのような過程をへて、排出されるのでしょうか?
まず、食事から摂取したアミノ酸は、体を構成するタンパク質へと合成されます。
そして、古くなったタンパク質は、アミノ酸へと分解され、さらに分解されると、アンモニアが作られます。
アンモニアには神経毒があり、私たちの体にはとても有害な物質です。
しかし、人間には腎臓があり、ここでアンモニアを無害な、尿素に変えて体外に排出します。
これが、通常の流れになりますが、タンパク質を多く摂取すると、腎臓のろ過機能が、追い付かなくなり、血液の流れに乗って、アンモニアが体に回ります。
アンモニアの毒性
アンモニアの毒性・人体への影響は、アンモニアの高濃度のガスを吸った場合は肺水腫(はいすいしゅ)になって、最悪の場合呼吸停止になったります。
その他にも、呼吸・皮膚・粘膜など、体の色々な部分に害を与えます。
このように、体に悪い影響を与える、アンモニアですが、通常は腎臓でろ過され、尿素となり排出されます。
クラッシュ症候群
1995年に起きた、阪神・淡路大震災で、多数の死亡者がでましたが、その時に「クラッシュ症候群(クラッシックシンドローム)」で、亡くたった方もたくさんいます。
クラッシュ症候群とは、がれきなどの重い物に、体を長時間挟まれ、その後、急にがれきを取ると、閉ざされていた血流が改善します。
すると、毒が体中に回り、最悪の場合死に至ります。
一命をとりとめても、腎機能障害を起こします。
なぜ、このようなことが起きるのか、それは筋肉が長時間圧迫されると、壊死を起こすからです。
細胞が壊れることで、タンパク質やカリウムが、血液中に流れ出すため、血中に増加します。
タンパク質は分解されると、アミノ酸になり、さらに分解されてアンモニアになりますが、それは神経毒です。
また、カリウムも血中に増えると、心臓に大きな負担を与え、心臓停止させます。
だから、いきなり、がれきに挟まった人の体から、がれきを持ち上げてはいけないんですね。
クラッシュ症候群→詳しく
タンパク質過剰は危険
タンパク質を多く摂取しすぎると、不要になるため、不要なタンパク質はアンモニアになります。
体の中のアンモニア(毒)は、腎臓でろ過され、基本的には、汗などでは排出されません。
しかし、腎臓の、ろ過機能が追い付かない状態だと、血流にのってアンモニアが全身に回り、汗や皮脂と一緒に分泌されるため、体臭を発生させます。→詳しく
私自身も、一時期プロテインを飲んでいて、美容に良いと思い込んで飲んでいましたが、30代にはいってから急に、体臭が気になるようになっていました。
恐らく、タンパク質が、過剰になっていたと考えられます。
若い時は、無茶な食生活でもあまり、体に支障がありませんが、年齢が上がるにつれ、体の代謝も落ちます。
さらに、プロテインはタンパク質の吸収速度が速いため、腎臓へ負担をかける危険性があります。
そして、中高年から気になる、加齢臭も、腎臓機能の低下が原因かもしれません。
タンパク質の取り過ぎは、腎臓に大きな負担をあたえるので、気を付けてください。
タンパク質不足
タンパク質の過剰は危険とお伝えしましたが、疑問になるのが、不足にはならないのかだと思います。
もし、タンパク質が不足すると、「タンパク質欠乏症」となり、 成長障害・体力や免疫機能の低下などが起こります。
しかし、普通の食事をしていて、タンパク質不足が起ることはほとんどありません。
発展途上国や、生活困窮者に起こりやすい問題ですが、普通の食事では心配はほどんどありません。
ただし、食事の摂取量が低下した高齢者では「タンパク質欠乏症」のような症状が起こる場合もあるようです。
ちなみに、病院の食事は、「低カロリーでお肉が少ない」と、よく言われます。
私も入院中は「お肉が少ない」と、感じました。
しかし、よく考えると、普段の食事でタンパク質を、過剰に摂取している人が多いのかもしれません。
炭水化物ダイエットの危険
炭水化物ダイエットは、長く流行していますが、炭水化物を抜いて、代わりのエネルギーとして、タンパク質を取っても、痩せるよりも体を悪くします。
10代20代の無理な食生活は、30代からダメージを受けます。
そして、30代以上は、すぐにダメージを受ける可能性がありますよ!
炭水化物を抜いてダイエットをすると、体にとって、糖がエネルギーになるため、体の中のタンパク質(筋肉)を分解して、エネルギーを作り出します。
すると、ダイエットのために炭水化物を抜いているのに、筋肉が減少して、代謝も落ちてしまいます。詳しく→こちら
さらに、炭水化物を抜くことで、お腹が減るため、タンパク質を過剰に摂取する可能性があります。
その場合は、腎臓に負担をかけてしまいます。
腎臓の機能は一度悪くなると回復しません。
悪くなる一方なので、自覚症状があってからでは、手遅れになります。
簡単にダイエットしたいと、考える人がほとんどだと思いますが、不足しがちな、野菜や果物をしっかりとり、バランスの良い食事をすると、自然と食欲を抑えられます。
好きな物ばかり食べると、栄養が偏るため、それによって食欲が増す可能性があるからです。
必須アミノ酸
タンパク質の中で、体で合成できないのが必須アミノ酸ですが、通常の食事をしていれば、不足することはありません。
これは国が発信している情報です。→厚生労働省
必須アミノ酸の種類
- イソロイシン
- ロイシン
- リジン
- メチオニン
- フェニルアラニン
- トレオニン(スレオニン)
- トリプトファン
- バリン
- ヒスチジン
- 非必須アミノ酸はチロシン
- システイン
- アスパラギン酸
- アスパラギン
- セリン
- グルタミン酸
- グルタミン
- プロリン
- グリシン
- アラニン
- アルギニン