今回は「ステロイドの離脱症状」について解説していきたいと思います。
私自身も、離脱症状に苦しめられました。
この症状を改善できないかと、インターネットで検索しましたが、詳しい情報がありませんでした…。
そこで、自分の症状をどのように対処したのか発信することで、同じ症状に苦しんでいる方の助けになるかもしれないと思い、書かせていただきました。
ステロイドの離脱症状に悩まされているのは、自分だけでないことを知ってください。
ステロイドとは?
ステロイドは万能なお薬ですが、薬を減量すると辛い離脱症状が起きます。
ステロイドには免疫を抑制する効果があるため、アレルギー反応を抑えたり、免疫系の病気に対して症状を緩和する作用があります。
主な錠剤は「プレドニゾロン1㎎」・「プレドニン5㎎」です。

自己免疫疾患とは?
自己免疫疾患とは免疫系に異常が起り、自分の体を攻撃してしまう病気です。
免疫系は異物(細菌、ウイルス、寄生虫、がん細胞)を認識すると、その物質から体を守ろうとします。
通常は、免疫系は異物に対してだけ反応し、自己の組織には反応しませんが、「移植された臓器」は他人の細胞組織であるため、異物と認識してしまいます。
また、免疫系に異常が起きると、自己の組織を異物と認識して、自分の体を攻撃することがあります。
この反応を「自己免疫反応」と呼び、炎症と組織の損傷を引き起こします。
自己免疫疾患の主な病気は以下の通りです。
バセドウ病、関節リウマチ、橋本甲状腺炎、1型糖尿病、全身性エリテマトーデス、血管炎などがあります。
クローン病
私は20歳の時に「クローン病」と診断されました。
クローン病も自己免疫疾患の一つで、この病気は、口から肛門までの消化器全てに、異常が生じる病気です。
消化器に炎症が起きることで、腹痛や下痢などの症状が起き、酷くなると栄養の吸収が悪くなり、様々な合併症を引き起こす病です。
私はクローン病の悪化で3回ほど入院しましたが、その時、症状を抑えるために、治療のためにステロイドを服用しました。
私の場合は、約1か月ほど入院して症状が改善しました。(人によって症状の重さは違う)
3回入院してますが、どれも1か月ほどの入院でした。
ちなみに、クローン病でのステロイド服用では、「離脱症状」のようなものは感じることはありませんでした。
ただし、これは私の場合です。
同じクローン病の人でも、さらに状態が悪い人の場合は、ステロイドの処方される量も多い可能性もあり、長期間治療をしている人の中には「離脱症状」が出る人もいるかもしれません。
白血病
私は2022年4月に、白血病と診断されました。(急性リンパ性白血病フィラデルフィア染色体陽性)
進行が早い病気なので、すぐに入院し、治療が始まりました。
最初の治療で、ステロイドを大量に点滴投与されました。
期間は3週間ほど。
クローン病の治療でもステロイドを使っていましたが、その時は飲み薬でした。
データを取っていなかったため、クローン病でどのくらいの量を処方されていたか分かりませんが、白血病の治療では、クローン病の治療よりも、はるかに多いステロイドを投与していると言われていました。
離脱症状
ステロイド使用中は、体の変化を感じることはありませんが、減量すると、ダルさや疲れを強く感じるようになります。
ステロイドの使用目的は、白血病の場合、白血病細胞の増加を抑制する効果があります。
免疫疾患の場合は、免疫を抑制し、傷ついた細胞を回復させる効果があります。
このほかにも、ステロイドには「体を元気にする」作用もあります。
使用している時には、体の大きな変化は感じませんでしたが、減量すると、強い脱力感を感じるようになります。
やる気が起きず、何もしたくないという気持ちに陥ります。
何かをしようとしても、体が重く、少し動いただけでも疲れます。
白血病の初期治療で、ステロイドを大量投与されてから減量された時は、何もする気が起きませんでした。
※ステロイドの減量は、少しづつ量を減らしながら行います。大きな副作用を防止するためです。
一日中眠く、食事とトイレ以外は、ずーっと眠っていました。
一日寝ても、夜もしっかり眠っていて、ステロイドが減っただけで、体の疲れが取れないという状態でした。
何もする気が起きません。
そのころ「水分を多く摂取して」と、言われていましたが、飲み物を飲むのすら、めんどくさいという感じでした。
徐々に離脱症状は減少し、いつもの自分に戻りますが、大体1か月ほどかかったと思います。
ステロイドの分泌量
ステロイドは、人の体からステロイドホルモンとして、分泌されていますが、PSL換算(ステロイドの錠剤で換算)では、2.5~5mg程度が生理的に分泌されています。
この量以上のステロイドを長期に内服した場合、副腎皮質からのステロイドホルモンが分泌されなくなります。
そのため、急に薬を飲まなくなると、体の中のステロイドホルモンが不足することになります。
すると、倦怠感、吐き気、頭痛、血圧低下などの症状が見られることがあります。
1mgの減量
私はステロイドを飲み続けて、2年ほどになります。
白血病の治療のため、さい帯血移植(骨髄移植のようなもので、血液の元となる細胞の移植)をしました。
他人の血液細胞を移植したため、その細胞が私の体を攻撃しないように、ステロイドと免疫抑制剤を服用しています。
血液細胞が自分の体に馴染むかは、人それぞれ違っており、私の場合は強い免疫反応は起きていませんが、ちょっとした障害が起きたため、いまだにステロイドを服用しています。
先月ステロイド2㎎から1㎎に減量しましたが、ステロイドの減量のたびに、離脱症状が起きます。
ダルさ、眠さ、時には吐気が起きる時もあります。
たった1mgの減量でも、強い離脱症状が起きます。
薬で言うと、プレドニゾロン1mg錠を1錠減らしただけです。
人の体からは、2.5~5mgが分泌されているので、それを考えると1mgがどれほど多いのかが分かると思います。
離脱症状・改善期間
私の間隔で、ステロイド減量の離脱症状が改善するには、約1か月ほどかかっています。
減量すると、だるい、眠いだけでなく、気持ちも憂鬱になります。
何かしなければいけないのに、体がきつい、頑張って行動を起こそうとしても、そのやる気が続きません。
だから、自分が嫌になり、悲しくなります。
私はステロイド減量のたびに、このような症状に悩まされました。
少しでも改善するために、あがきましたが、改善するのには、結局のところ1か月ほどかかってしまいました。
薬物・覚せい剤
ステロイドを減量すると、元気だった自分に戻りたいという気持ちに陥ります。
他人から見ると、元気はあるように見えますが、実際には集中力がなく、頭も働かなくなり、物事を考えることができなくなります。
私の仕事は記事のライティングですが、自分で考えて文章を書かなければいけません。
ステロイドを減量すると、その作業が全くできなくなるのです。
ただし、家事などは出来ます。
ステロイド減量してすぐは、特に体が疲れるので、家事もできない時もありましたが、家事の場合はいつもやっていることなので、あまり頭を使わなくてもできます。
買い物なども、動くことはきつくても、行くことはできました。
だから、人から見ると、だらしない人としか見えないと思います。
自分でもそう感じるから、辛さを感じていました。
ステロイドの離脱症状が起きると、何度も、「もう一度同じ量を服用したい」と思いました。
同じ量を服用すれば、元の元気な自分に戻れると思うからです。
これは「覚せい剤使用者」と同じようなものだと思います。
薬物使用者は、やめようと思っても、やめきれず使ってしまいます。
離脱症状を乗り切るために
ステロイドの離脱症状を早く改善しようと、色々とあがいてみましたが、結局は元に戻るまで、1か月ほどかかりました。
無理やり仕事をしようとしましたが、やはり…頭が働かず、やる気も起きず、全く仕事は進みませんでした。
頭を興奮させれば、早く改善するかと思い、歩いてみたり、コーヒーを飲んだりしましたが、それでもだめでした。
歩くとすぐ疲れて、家に帰って寝たいという気持ちになり、コーヒーを飲んでも目も頭も冴えませんでした。
ステロイドの離脱症状はどうあがいても、早く改善することはないので、自分ができる事を楽しむのが一番かもしれません。
私はこの期間、映画やドラマをたくさん見ました。
今はサブスクリプションで、映画も、ドラマも一定金額を払えば見放題です。
だから、この辛い症状を忘れるために、動画を楽しむというのが一番なのかもしれません。
1か月ほど自由に過ごし、無理に家事や仕事をせず、サボることもOKと考えるべきだと思います。
Amazonプライムなら、月500円でドラマや映画が見放題なので、月額が安く抑えれるのでおすすめです。
離脱症状の軽減
ステロイドの離脱症状を抑えることができないとご紹介してきましたが、一つ良い方法があります。
減量する時に、隔日処方にしてもらうのです。
私が主治医に「ステロイドの離脱症状がきつい」と訴えていたら、「隔日処方」を提案してくれたのです。
具体的には、減量が進み残り1mgとなっていたので、減らす時に1~2か月ほどの期間を、1日おきにステロイド1mgの処方が行われました。
隔日処方になってすぐに、離脱症状が出ましたが1mgをまるまる減らすのとは違い、今までよりも離脱症状の期間が半分くらいで済みました。
さらに、隔日の期間が終わり、調子が良さそうということで、隔日の1mgを停止したところ、今回は全く離脱症状が出ませんでした。
もし、離脱症状がきついという方は、主治医に隔日処方の提案をしてみるといいかもしれません。
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