【飲む日焼け止めの効果】サプリと塗るUVカットと比較

近年手軽に日焼け対策ができる「飲む日焼け止め」が注目されていますが、その効果はどれくらいあるのでしょうか?

害はないのか、気になる人も多いと思います。

そこで今回は、飲む日焼け止めの効果について解説していきたいと思います。

飲む日焼け止めとは?

飲む日焼け止めとは、「フェーンブロック ( ファーンブロック)」や「ニュートロックスサン」という成分が配合された、飲むだけで日焼けを防止できるというサプリメントです。

アメリカでは20年程前か販売されおり、手軽に日焼け対策ができることで人気が高まっています。

飲む日焼け止めの成分

飲む日焼け止めの有効成分は「フェーンブロック」と「ニュートロックスサン」の2つ分けられます。

出典:melc

◉フェーンブロック

フェーンブロック( ファーンブロック)は、シダ植物から抽出された成分で、成分名は、日本名がダイオウウラボシで、「ダイオウウラボシ抽出エキス」や「PLエキス」と記載されています。

◉ニュートロックスサン

ニュートロックスサンは、シトラスとローズマリーから抽出したエキスが成分であり、成分名には「シトラス果汁・ローズマリー葉エキス末」と記載されています。

日焼けの仕組み

私たちの肌が、太陽から注がれる光で焼ける仕組みは、紫外線によるものですが、紫外線には種類があります。

UVA、UVB、UVCがあり、日焼けの原因となるのはUVAとUVBで、肌への作用は異なります。

日焼けをすると、肌が赤くなりますが、これはUVBによる作用です。

赤みが落ち着くと、肌が黒くなりますが、これはUVAの作用です。

日焼けを防止するには、この作用を抑える必要があります。

塗る日焼け止めの仕組み

飲む日焼け止めの効果

実は、「飲む日焼け止め」の効果は薄いと考えられます。

「飲む日焼け止め」の効果を「塗る日焼け止め」の「SPF」で測定すると、3ヶ月毎日飲んでも「SPF」は1.56であり、「SPF」は2にも満たないことになります。

「SPF」はUVB(肌の赤み)を防ぐ度合いを表しています。

「SPF」は具体的にいうと「何も塗らない肌と比べて、同じ強さの紫外線を当てたときに、赤くなるまで何倍の時間がかかるか」を測定し、数字で表したものです。

例えば、何も塗らず20分で肌が赤くなる時に、SPF15の日焼け止め剤を塗っていれば、赤くなるまでに20×15=300分かかる、という意味になります。

つまり、「SPF」が2にも満たないなら、「今日は海水浴に行くから、今日だけ飲む日焼け止めを1錠飲んで出かけよう」では、全く意味がないということなのです。

詳しく解説

「米」皮膚科学会の警告

アメリカ皮膚科学会は、飲む日焼け止めに警告をしています。

近年、日焼けから守ると謳ったサプリメント(飲む日焼け止め)について、メディアで論議されています。

アメリカ皮膚科学会は、「これらの飲む日焼け止めを、塗る日焼け止めや、日焼けから守る衣服の代わりとして使用しないよう」消費者に警告します。

現在、飲む日焼け止め単独で、太陽の有害な紫外線から、肌を適切に守るという科学的根拠は存在しません。

日焼け対策用品として認められたものは「塗る日焼け止め」のみです。

SPFが少なくとも15以上の日焼け止めは、日焼けを防ぎ、皮膚癌のリスクや日光による皮膚老化を抑えることが科学的に証明されています。

アメリカ皮膚科学会は、飲む日焼け止めを服用するか否かにかかわらず、日陰を探し、日光を防ぐ衣服を着て、SPFが30か、それ以上の日焼け止めを使うことを推奨します。

≪参考文献≫
 飲む日焼け止めの効果とFDAからの警告「肌のクリニック高円寺」