「カントンの犬」と呼ばれている、実験をご存じでしょうか?
その実験はフランスの生理学者の、ルネ・カントンが行った、血液と海水を入れ替えるというものです。
血液と海水?
普通に考えればおかしいのですが…
ある日、海水と血液の成分が近いことを、カントンは発見しました。
血液と海水をそのまま入れ替えるのは、もちろん塩分濃度が違うので、「希釈した海水と血液を入れ替える」という実験を犬を使って行ったのです。
「カントンの犬」実験方法
1897年に「カントンの犬」の実験が行われました。
血液を、薄めた海水(代替え血漿)と入れ替えるという実験です。
※ 血漿とは…血液細胞以外の成分。血液の中の水分や、ミネラルなど、60%を占めている
この実験は、「海水が血液の代わりとなる」ことを証明するために行われた実験です。
実験は3回行われました。
1回目の実験
体重5kgの小型犬の血液を抜き取り、血液と同じ濃度の希釈海水(薄めた海水)を血管から入しました。
希釈海水の量は、3.5ℓです。
その量は、犬の内部環境(体液など)の3倍です。
犬のお腹は膨れ、ぐったりとなり、体温が下がっていきました。
しかし、希釈海水を入れた後から、すぐに犬の体温は上がり始めて、5日後には犬はすっかり回復しました。
2回目の実験
1回目の実験の成功で、さらに極端な実験を行いました。
体重10kgの犬から、ほとんどの血液を抜き取ります。
抜かれた血液は、犬の体重の20分の1に相当する、425gです。
その後、希釈海水532ccを血管から入れました。
犬は血液を抜かれてからは、呼吸はしていたものの、瀕死の状態でした。
しかし、海水を注入してから、5日後から急に犬は回復しはじめ、8日目は元気な状態に戻りました。
その犬は最後は、事故で無くなったのですが、5年も元気に生き続けました。
3回目の実験
犬を使った実験で、希釈海水が血液の代わりをすると確信したカントンは次の実験をしました。
様々な動物の血液を使った実験です。
動物の血液中の白血球が、海水の中で生きることができるのか、というのを検証したのです。
血液細胞の中でも白血球はとても、繊細な細胞なので、どんな人口溶液でも死滅しますが、希釈海水で白血球は生きるのかを観察したのです。
内容は、まずはじめに、血液を希釈海水の中に入れます。
そして、白血球の動きを観察します。
結果は、白血球は血液の中と同じように活動していました。
「カントンの犬」の実験の答え
カントンは3回の実験で、希釈海水が輸血の代わりになると考えました。
※ カントンの実験が元となり、点滴で使用する「生理食塩水」が使われるようになったと、言われています。
そして、希釈海水を注入された、犬の回復が早かったことで、血液細胞が急激に増加していることが分かります。
出血しても、希釈海水を注入すれば、そこから新たな血液が作られるということをカントンは証明したのです。
カントンの考え
血液を作る元になる細胞は、希釈海水から、栄養を取込むことで、細胞分裂を加速化し、通常よりも速いスピードで体が回復できる。
多くの病気の原因は、体の中のバランスの乱れが原因なので、希釈海水を体に取り込むことで、不足していたミネラルなどその他の栄養を補える。
それにより、病気や体の不調が改善し、本来の健康な体に戻ることが出来る
カントン説の疑問
カントンが行った実験により、「希釈海水で健康になれる」と考えることができそうですが、100年以上前の実験です。
実験の情報が正しいのか…
今よりも情報の管理は徹底されていたとは考えられません。
そのため、全てを信じて良いかは不明です。
民間療法で、「カントン療法・キントン水・海水療法」などを行う施設はありますが、ご自身でしっかり検討して行った方が良いでしょう。
参考までに、「カントンの実験が正しいのか」と考えさせられる実験が、日本でもあったので、お伝えします。
海水を使った恐ろしい実験です。
九州大学生体解剖事件として、九州大学医学部の恐ろしい歴史です。→詳しく
戦時中に、九州大学でアメリカ人捕虜を使て、人体実験を行いました。
その実験の一つに、捕虜の体に海水を注入して、状態を見るというものでしたが、海水を注入されたアメリカ人は、すぐに亡くなったのです。
海水を注入したのは、開発途中の「海水から作られた代用血液」が、使用できるものか調べるためでした。
海水は生命が誕生した場所です。
そのため、健康の源と考えられると思います。
しかし、病気が治るかは分かりません…
私自身は白血病を患いました。
なぜ病気になったのか?
病院での治療をしなくても、自然に治るのではないか?
自然の水が良い・野菜が良いなど、様々な本を読みました。
病気を治すためにどれを選ぶかは、自分自身です。
私は、病院の治療を選択しました。