「食品添加物は体に害のあるもの」と考える人は多いと思います。
なるべく添加物が少ない方が健康的だと、多くの人が考えているのではないでしょうか?
しかし、私は病気をしたから、添加物が大切だと感じるようになりました。
日本は添加物大国とよく言われます。
さらに、アメリカと比べて、ガン患者が多いことも問題視されます。
同じ先進国なのに、アメリカはガン患者が減り、日本はガン患者が増えているという現状があります。
このように聞くと、日本で多くの添加物が使われているから、ガンが増えているのだと感じるでしょう。
しかし、色々調べると分かってきますが、添加物の多さが、ガンの原因とは限らないんです。
私は白血病という、血液のガンになり、食品添加物の危険性を問題視するよりも、逆に絶対に必要な物だと感じるようになりました。
今回は「食品添加物と健康について」解説していきたいと思います。
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食品添加物の役割
味の素(株)のホームページに、「食品添加物の役割」を下記のように記しています。
1.食品を製造するとき
豆腐を作るときのにがり、中華麺を作るときのかんすい、ゼリーを作るときのゲル化剤など、食品を製造するときに使用されています。
2.食品をおいしくするとき
食品の味・香りを付与するために、うま味調味料、甘味料、酸味料が使用され、色調を改良するために、着色料が使用されています。
3.食品の栄養価を高めるとき
食品に含まれている栄養成分を補強するために、ビタミン、ミネラル、アミノ酸類が使用されています。
4.食品の品質を保つとき
食品の安全性を確保し保存性を向上させるために、微生物による腐敗を防ぐ保存料、油脂などの酸化を防ぐ酸化防止剤などが使用されています。
引用:味の素株式会社
食品添加物は「食べ物の見た目をよくし、美味しくして、保存性を高めるため」に使われています。
添加物・美味しさ
添加物があるから、美味しい食べ物が食べられるんですが、さらに、食事ができない人でも、できるようになるという面もあります。
私は白血病の治療でさい帯血移植(骨髄移植のようなもの)をしました。
とても過酷な治療で、食べることができなくなり、しばらくは点滴で栄養を取ることになります。
食べようとしても、嘔吐したり、腹痛が出るからです。
体が少し回復してくると、流動食を口に入れるようにしますが、治療のせいで、味覚がなくなり、食べることに苦労するようになります。
骨髄移植をすると、みんな同じように味覚がなくなります。
初めは味がしません、少しづつ味がしても、変な味がするんです。
水が甘かったり、苦みを感じり、どの食べ物もまずいと感じます。
点滴で栄養を取るよりも、口から食事をとる方が回復が早くなるので、治療中は栄養士さんが食べれるものを一生懸命考えてくれました。
その時私は、「フルーツ缶詰」や「ゼリー」を食べていました。
それらが食べやすかったからです。
口にしていたものは、缶詰やゼリーなので、食品添加物だらけの食べ物を食べていました。
体もまともに、動かせないほどに弱った人間が、添加物だらけの食べ物を食べるんです。
そう考えると、危険に感じませんか?
でも、添加物が入っていることで、食べやすいんです。
健康な人には病人に加工食品はどうなのか?と感じるかもしれません。
まずくても体回復のために、「添加物なんて入っていない、手作りの料理を食べるべきだ」と感じるかもしれません。
しかし、味覚や胃腸に障害がある人間にとって、普通の食事は食べることはとても難いんです。
だから、添加物たくさん入った加工食品の大切さが、身に染みて分かりました。
食べやすく、美味しいと感じやすいのです。
保存料
カビも生えない、長期保存できる、「保存料」も体に害がありそうですよね?
これに付いても、病気をしたから、保存料の大切さが分かります。
さい帯血移植(骨髄移植)後は、免疫が普通の人より落ちている状態です。
病み上がりということも関係しますが、移植は他人の細胞を入れるため、自分の体と、新しく入れた細胞が喧嘩(GVHD)をするんです。
喧嘩すると、最悪の場合は死ぬこともあり、そうならないために免疫抑制剤で、免疫の働きを抑えます。
そのせいで、免疫がないため、簡単に菌やウイルスに感染しやすくなります。
病院でも予防の薬をたくさん処方しますが、自分自身でも気を付けなければいけません。
自宅に帰った時、食べ物は自分で注意しなければいけません。
少しの、菌やウイルスで、重症化するリスクがあるんです。
日本で市販されている食品や調味料は、保存料が入っているため、食中毒を起こすことはほとんどありません。
免疫がない人間には、安全に食べれて、とてもありがたいと感じるのです。
食品添加物とガンの関係
上記では、食品添加物の必要性を説明しましたが、ガンとの関係はどうなのでしょうか?
まず、厚生労働省の見解をお話しします。
厚生労働省では、食品添加物を実際にどの程度摂取しているか、調査しています。
最近の調査結果では、実際の摂取量は、健康への悪影響がないとされる「一日摂取許容量」(ADI)を、大きく下回っています。
出典:厚生労働省
厚生労働省は、添加物の量で健康に影響しないと見解を出していますが…
では、日本はガンが増え、アメリカがガンが減るのはなぜでしょうか?
これは、日本の高齢者の人口が、増えたからだと考えられます。
下の図を見ると分かります。
年齢別の人口の割合ですが、日本は高齢者の割合がとても多いことが分かります。
日本では、お年寄りが半分暮らしています。
アメリカは高齢者が少なく、幅広い年齢層が暮らす国なのです。
日本人の平均年齢は48.9歳で、アメリカ人の平均年齢は38.6歳です。
10歳も平均年齢が違うんです!
そして、ガンになりやすいのは、60歳くらいから増加します。
日本人は高齢者が多いから、ガンが多くて当然なんです。
私のように、「働き盛りの世代・若者」もガンにはなりますが、割合は多くありません。
ガンが多いと言われる日本人は、世界でも長寿国なんです。
添加物が危険とあおる人が居ますが、添加物が多い日本なのになぜ長寿なのか?
矛盾していますね。
高齢者が多いから、ガンが多くなるのでしょう。
今は医療が発達してきていますから、ガンになっても良くなる人が増えてきています。
順位 | 国名・地域名 | 男女平均寿命(歳) [2019年] |
---|---|---|
1 | 日本 | 84.3 |
2 | スイス | 83.4 |
3 | 韓国 | 83.3 |
4 | シンガポール | 83.2 |
4 | スペイン | 83.2 |
6 | キプロス | 83.1 |
7 | オーストラリア | 83.0 |
7 | イタリア | 83.0 |
9 | イスラエル | 82.6 |
9 | ノルウェー | 82.6 |
11 | フランス | 82.5 |
12 | ルクセンブルク | 82.4 |
12 | スウェーデン | 82.4 |
14 | アイスランド | 82.3 |
15 | カナダ | 82.2 |
16 | ニュージーランド | 82.0 |
17 | マルタ | 81.9 |
18 | アイルランド | 81.8 |
18 | オランダ | 81.8 |
20 | ドイツ | 81.7 |
21 | オーストリア | 81.6 |
21 | フィンランド | 81.6 |
21 | ポルトガル | 81.6 |
24 | ベルギー | 81.4 |
24 | イギリス | 81.4 |
26 | デンマーク | 81.3 |
26 | スロベニア | 81.3 |
28 | ギリシャ | 81.1 |
29 | クウェート | 81.0 |
30 | コスタリカ | 80.8 |
31 | チリ | 80.7 |
32 | ペルー | 79.9 |
33 | モルディブ | 79.6 |
34 | コロンビア | 79.3 |
34 | パナマ | 79.3 |
36 | チェコ | 79.1 |
37 | エストニア | 78.9 |
38 | クロアチア | 78.6 |
38 | トルコ | 78.6 |
40 | アメリカ | 78.5 |
41位以下→見る
健康寿命もけしてて、低い数値ではありません。
健康寿命について、話題になることがありますが、高齢者が増えるので、他国よりも問題視されるのは当然の事です。
食品添加物との付き合い方
「食品添加物」を擁護してきましたが、一番大切なことは、バランスの良い食事です。
加工食品だけでなく、自分で料理をして、野菜・お肉・魚をバランスよく食べることで、体の中の栄養のバランスが保たれます。
近年「完全栄養食」や、食品にビタミンやミネラル、カルシウムなどが添加されていますが、それに頼り過ぎてはいけません。
人間に必要な 5大栄養素「炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル」 は、絶妙なバランスで保たれているからです。
添加物が多い食事を、取りすぎることは危険です。
食はバランスが大事なんです。
水でもたくさん飲みすぎると、死亡するリスクがあります(水中毒)