アパート耐久年数
アパートオーナーの義務は?
前述で、「階段が危険なアパート」と「柱が危険なアパート」を紹介しました。
どちらも、築年数29年(現在2021.7)木造です。
耐震診断の義務はありませんが、診断しなくても、見ただけで危険な気がします。
しかし、このような建物のオーナーは一企業ではなく、個人であることが多いので、修理費用を工面するのも、難しいのかもしれません。
アパートの耐用年数
木造アパートの耐用年数は22年と言われています。
耐用年数を超えたアパートの、修理のための融資は受けれません。
そのため、建物の劣化に気づいても、オーナーがまとまった資金を持っていなければ、建物の修理が出来ないのです。
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アパート何年で元が取れる?
2つのアパートはどちらも築29年ですが、29年で元はとれているのでしょうか?
元が取れていないのに修理費がかかるようでは、少し気の毒になります。
そこで、元が取れているのか、シミュレーションしてみました。
2つのアパートは、戸数が違います。
6戸・10戸
家賃は現在の価格は…
4.1万・2.9万です。
管理費などを差し引いた年間収入は…
270.6万・319万(全室うまった場合で計算)
この地域の土地代の現在の相場・建物代・金利の合計は…
5,140万・5,990万です。
何年で元を取るか計算すると、約19年です。
築年数29年なので10年間は利益になります。
2,952万・3,480万が、10年で利益になっています。
ただし、建物が途中で外壁塗装をしたのか、大掛かりの工事をしたのかは不明なので、実際には異なる部分も多くあると思います。
エアコンや給湯器は10年程で、故障が来るので、戸数が多いとその料金も増えます。
また、家賃収入も、ずーっと満室という訳にはいかないでしょうから、収入が少ない時期もあったはずです。
しかし、10年以上前は、現在の家賃価格よりも、高く設定されていたかもしれません。
この辺りの築10年の物件では、どちらも1万円以上高い家賃でした。
土地代も、30年前と今では大幅に変わっていると思われます。
ですから、実際のオーナーの利益は予想しかできません。
アパート修繕・解体費用
アパートオーナーが10年で、3,000万も利益がでているなら、しっかり修繕した方がいいようにも思えますが、修繕費用はいくらなのでしょうか?
修繕箇所にもよるため、いくらかかるのかは分かりませんが、リノベーション住宅でも、新築を買うのと変わらないくらいの費用がかかるイメージがあります。
老朽化も進んでいるため、アパート全体をフルリノベーションすると、10年で3,000万収入もほとんどなくなるかもしれませんね。
それなら、オーナーとしては、現状のまま住人に住んでもらたほうが、お得ということになりますね。
建物がいよいよ、危ないとなれば、解体しなければいけませんが、上の2つのアパートの解体費用の相場は、120万~150万くらいです。
まとめ
危険なアパートは現状たくさんありますが、2階建てのアパートは耐震診断する義務はありません。
住人に損害が生じれば、オーナーが保証する義務がありますが、古くなり、危険なアパートであっても、修繕費用がかかるため、放置しているオーナーが多くいます。
建物に危険な所を見つけたら、管理会社やオーナーに修繕依頼した方がいいのですが、改善してくれない場合は、危険な住宅から引っ越した方がいいでしょう。