年収900万円未満は「社会のお荷物」-社会保障のひっ迫

日本は世界的に見ても、社会保障制度が充実しています。

日本国民を支えるための制度で、「社会保険」、「社会福祉」、「公的扶助」、「保健医療・公衆衛生」からなり、子ども・子育て世代・お年寄りまで、全ての人々の生活の安定を保障しています。

社会保障制度の数はたくさんあり、国・都道府県・市町村が主になって、役割を果たしています。

社会保障の費用の大部分は、「年金」ですが、他にも「保育」、「教育」、「介護」などがあり、これらの保障を補うために、「住民税」、「所得税」、「消費税」、「年金保険料」、「健康保険料」などを、国や地方に私たちは納めています。

下の表は、内閣府が社会保障制度における、人々の収入と出費を示したものです。

※受益…受け取る  ※負担…出費

出典:プレジデントオンライン

上の表を見ると、世帯年収が755万円の夫婦共働きで、子どもがいない世帯が、社会保障の負担が一番大きく、1年間に135万円もの負担金がのしかかっています。

たいして、60代の夫婦で子ども無し世帯は196万と、70代の単身世帯は174万を年間、受益(プラスの収入)があります。

これでは不公平に感じる人もいるかもしれませんが、これが日本の社会保障の現状となっています。

さらに、(内閣府の試算をもとにすると)、世帯総収入が890~920万を超えるまでは「受益超過」となります。

つまり、社会保障費を払うよりも、受け取ることが多いということになります。

世帯年収が約900万以下は、「社会のお荷物」になっているのです。

国税庁が2020年に行った調査によると、年収が1,000~1,500万円の給与所得者の割合は、全体の3.4%(男性5.2%、女性0.7%)です。

男性では、年収300~400万円が最も多く、全体の17.5%に当たります。

女性の場合は、年収100~200万円が最も多く、23.4%になります。 

さらに詳しく

出典:プレジデントオンライン

日本は超高齢化社会となりつつありますが、2060年には、5人に2人が高齢者となります。

上の表を見ると、70歳以上の世帯主では、貯蓄が平均2,389万円あります。

さらに、60代以上の持ち家率は90%で、多くの高齢者が家を持っていますが、若い世代は貯金も少なく、家を購入することもできません。

「年金が減った」「病院代が高くなった」と高齢者の方々は嘆きますが、若い世代と比べて、高齢者の方が余裕があります。

今後は、若い働き手が不足するため、日本が貧しい国になる恐れがあります。

将来生活が苦しいという状態にならないためにも、自分にできることを今から考えていきましょう。