点滴を受けたことある人なら、一度は気になったことがあるかもしれません…
「点滴の管の中に空気入ってない?」
何度か点滴するうちに、看護師さんが用意してくれる点滴の管の中に、空気がいっぱい入っていることがあります。
血管につなぐ前に、なんとか空気を抜いてくれますが、一度大量に入った空気は、完全に取り除けないようで、管に空気が少し残ったままでも、点滴を繋がれてしまいます。
「血管に空気が入る」と死ぬという話を、聞いたことがあります。
実際に事件もありました。
2021 .12.9に、衝撃のニュースが報道されています。
昨年7月に、介護老人施設で看護師資格を持った女性が、入居者の男性の血管に空気を注入し、殺害。
とても痛ましい事件です。
しかし、血管に空気が入ると人は死ぬのですが、なぜなのでしょうか?
また、空気の入る量はどれくらいなら、死なないのか?
今回は「血管に空気」について分かりやすく解説していきます。
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血管に空気が入ると?
血管内に空気が侵入すると、血流を閉ざされたような状態になります。
空気塞栓といい、胸通・チアノーゼ・血圧低下・頻脈などが起り、意識レベルが低下し、失神することがあります。
※ チアノーゼ…血液不足で、皮膚の色が青白くなること
空気塞栓の対処
空気塞栓が生じた場合、患者の体の左を下にして、横に向けます。
このようにすると、心臓への空気が送られやすくなります。
また、脳血管での空気塞栓を防ぐために、患者の頭を低くした体勢を取らせます。
点滴の管に空気
点滴の管に空気が入っていたら、患者は不快に思ってしまうかもしれませんが、実はそこまで、恐れる事ではありません。
空気塞栓の危険性があるのは、「血管内に空気量が10ml以上混入する」時です。
一般的な、点滴の管に置き換えると、2mなんです。
知識の少ない、一般の人にとっては空気が血管に入ることが危険だけど、どのくらいまでなら安全で、危険なのか分からないからこそ不安になります。
だから、看護師さんは患者の不安を取り除くために、点滴の管内に空気が入ってしまったら、ある程度取り除いて点滴を繋いでくれるんですね。
上で「看護師資格を持つ女性の殺人事件」について、取り上げましたが、この事件では点滴で空気を注入したのではなく、シリンジというものを使っています。
注射器のような形をしている、薬などを点滴の管の途中から入れるための医療器具です。