2人に1人はガンになると言われています。
ガンになった時、当人はもちろん家族も絶望的な気持ちになり、色んな事を考えると思います。
私は白血病になり、自覚症状がなかったため、「何かの間違いではないか?」と思いました。
治療が進行しても、あまり信じられませんでした。
しかし、様々な検査をして、白血病と診断できる検査結果がそろっているので、診断が間違うことは無いのだろうと思い、ゆっくりと理解することができました。
ちまたには、ガン患者の気持ちに付け込んだ情報があふれています。
- ガンが突然消える
- 免疫療法
- 抗がん剤は体を蝕む
全てが悪意のあるものではないとは思いますが、正しい情報の選別が必要です。
間違えた選択をしないためにも、ガンに関しての情報を、分かりやすく解説していきたいと思います。
ガンが突然消える!?
テレビで「ガンが突然消えた!」というのを見たことがあります。
その内容を簡単に説明します。
末期ガンで余命宣告をされ、手のほどこしようがないという状態の人が居ました。
その人は思い残すことないように、色んな所に旅行に出かけました。
しばらくたって、ガンの状態を確認するために病院に行ったところ、ガンが消失していた。
このような話です。
なんとなく、この話を知っている人はいると思います。
中には、知り合いや、知り合いの知り合いで、「ガンが消えた」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
では、その人たちは、どんな生活や治療をしたのでしょうか?
勝手にガンが消える人が居る
実際に何をしなくてもガンが突然消失する人は、わずかながら居るそうです。
だからこそ、気を付けなければいけないのは、「○○をしてガンが治った!」などの情報に大きく左右されてはいけないということです。
どんな治療をしても、何もしなくても、ガン細胞が消える人が一定数存在するです。
その人と同じ治療をしても、全ての人のガンが無くなるわけではありません。
分かりやすく説明すると、毎年インフルエンザが流行りますが「かかりにくい人・かかりやすい人・重症化する人」皆症状が違います。
体質がみんな違うからです。
そして、同じガンは存在せず、一人一人体質が違うので、同じ治療をしても、結果が同じとは限らないということです。
抗がん剤は危険?
抗がん剤というと、身体へのダメージが大きいと考える人も多いと思います。
ガンの種類によって、使われる抗がん剤は違いますが、現在は副作用として起こる不快な症状を和らげるための薬を一緒に使用するため、ある程度辛い症状などは抑えられます。
吐き気が起るような薬を使う時は、一緒に吐き気止めを使用し、症状を和らげることが出来るようになっているのです。
抗がん剤は体に良い薬ではありませんが、臨床試験でどのくらいの効果が期待できるか明確にされています。
すべでのガンを治すことはできませんが、新しい抗がん剤が次々に開発されることで、ガン患者の長期生存率も上がっているという事実があります。
抗がん剤は効かない
同じガンにかかっても、抗がん剤が効きにくい人が居ます。
また、途中までは抗がん剤が効いていたのに、ガンが小さくならないとう場合もあります。
なぜ、抗がん剤が効かなくなるのか?
それは、私たちがワクチン接種をするのと同じです。
インフルエンザワクチンを打つことで、インフルエンザにかかりにくくなります。
ワクチンで、私たちの体には抗体が出来ます。
しかし、ワクチンを打ったのに、インフルエンザにかかる人が居ます。
また、毎年違うインフルエンザが流行するように、ウイルスは変異します。
ウイルスが変異するから、ワクチンが効かなくなるのです。
ガン細胞も、一人一人全く種類が違うから、抗がん剤が効くこともあれば、効かないこともあるのです。
そして、変異すれば、今まで抗がん剤が効いていた人でも、途中から効かなくなるということも起こります。
そのため、抗がん剤治療では、複数の抗がん剤と併用しながら、治療を進めているのです。
抗がん剤に耐性をもったガン
抗がん剤を大量に入れ過ぎると、生命維持に重要な臓器までダメージを受けてしまうので、患者の命が危険にさらされます。
そのため、患者の状態に合わせて、少量の抗がん剤が投与されます。
すると、生き残ったガンの中から、抗がん剤に耐性をもった変異したガンができてしまうのです。
免疫療法とガン
免疫力が高いことは良いことです。
色々な病気を予防することが出来ます。
では、免疫をアップすれば、ガンも退治できるのか?
実は免疫力を上げても、全てのガンを退治することはできません。
健康な人でも、毎日5,000個ほど、ガン細胞ができていると言われています。
通常はガン細胞ができても、免疫に攻撃され、ガン細胞は死にます。
しかし、免疫の攻撃をストップさせる力を持ったガン細胞がいます。
そのため、どんなに免疫力をあげても、ガンを小さくすることができないのです。
オプジーボという薬をご存じですか?
数年前に、ガン治療薬として話題になった薬です。
今までがん治療薬と言えば、ガン細胞と一緒に健康な細胞も攻撃するため、身体へのダメージ大きいものでした。
しかし、オプジーボは、ガン細胞の攻撃をストップする力を無くす効果がある薬です。
そのため免疫がしっかり働くことができ、ガン細胞を殺すことが出来るのです。
今オプジーボは、様々なガン治療への承認が進んできています。
しかし、薬代が高いため、承認されていないガン治療に使った場合は、とても高額になります。
さらに、オプジーボは、全てのガンに効果があるわけではありません。
現在70%の人に効果があるとの研究結果があります。
効果がある人には、効き目が凄い薬ですが、効果がない人には全く変化がないそうです。
そして、オプジーボが効く人・効かない人の違いは現在は分かっていません。
オプジーボの問題点
オプジーボは免疫でガンを倒すのだから、体の負担も少なそうで、とても良い薬だと感じる人も多いでしょう。
しかし、問題点もあります。
免疫が過剰に働き、免疫疾患と同じような症状が出るのです。
※全ての人に起こる症状ではありません。
自己免疫が暴走し、自分の体を攻撃して起こる症状です。
原因不明の、腹痛や体中の湿疹など、症状は色々な所に出てきます。
2014年にオプジーボが発表されました。
オプジーボより数年前に、アメリカでヤーボイという薬が発表されました。
ヤーボイの方が免疫を活性化する力強いため、副作用が強く、大腸炎や肺炎などの報告があり、アメリカでは死亡例も多数報告されています。
免疫細胞が作られる時、その中に、自己を傷つける免疫ができることがあります。
しかし、そのような細胞が出来た場合、通常その細胞は死ぬようにプログラムされています。
これをアポトーシスと言います。
アポトーシスが制御されてないことで、自己免疫疾患が起ると考えられています。
現在はオプジーボ・ヤーボイどちらも日本で使われていますが、今まで蓄積されたデータを元に、一人一人の患者に適量の薬を使って治療されています。
最も怖い未分化ガン
ガンの場合は、年配者よりも若者の方が進行が速いと、思っている人も多いと思いますが、一概にそうとは言えません。
未分化ガンは、とても進行が速いガンです。
細胞はどんどん分れて、増え続けます。
たくさん分裂をすると、大人の細胞になっているため、分裂は少なくなりますが、分裂したての細胞は、まだ若いため、どんどん新しい細胞に分裂していきます。
ガン細胞はどの時点でガン化しているのかによって、分裂の早さが違います。
まだ若い細胞だと、どんどん分裂し増え続けます。
これが未分化ガンです。
がんを消す免疫薬の真実
この本を参考に記事を書いています。
詳しい内容は、詳しい内容はこの本でご確認ください。
免疫力だけを上げても、現在のところは全てのガンを消すことはできません。
高額なお金を払って、通常とは違う治療をしても、必ず治るとは限りません。
ガンになったらワラにもすがる思いで、色々な治療法を探してしまいますが、しっかり主治医と話し合って治療を選択すべきです。
もし、主治医と気が合わない、信用できないと感じてしまうなら、セカンドオピニオンで、別の病院を紹介してもらいましょう。
セカンドオピニオンは、広く浸透しています。
また、ガン患者の多くは気持ちの整理が付かず、他の病院でも相談したいと考える人は多くいるので、「セカンドオピニオンをしたい」と言っても医師が嫌悪感を示すことはありません。