年齢を重ねると、体のどこかに不調が起るようになってきます。
そのため、若い時は健康に気を使うことが無かったのに、多くの人がサプリメントを飲むようになります。
サプリメントを飲んで、健康になったように感じている人もいると思いますが、必ずしもそうとは言えません。
グルコサミン
高齢になると、膝関節に違和感痛みを生じる人が多くいます。
膝に良いと言われる「グルコサミン」配合のサプリメントを飲んでいる人もいると思いますが、衝撃な事実が発表されました。
2017年に医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)」に掲載された論文で「グルコサミンサプリには膝関節に効果がない」ということが結論づけられたのです。
アメリカのコネール大学の教授が、1663人を対象に調べた結果に出された答えとなります。
この研究を行った教授によると、「食品とサプリメントは同じではない」と言います。
サプリメントは主になる成分と、その他の有効成分が含まれていますが、食品には様々な栄養が含まれています。
例えば、強い抗酸化作用がる「βカロテン」は、ガンのリスクを低下させる効果があります。
そして、この成分が含まれる人参を食べると、ガンのリスクを下げることも分かっています。
しかし、「βカロテン」をサプリメントで摂取した人は、逆に肺がんの発生率が増加したとの研究結果が出ています。
つまり、グルコサミンのサプリメントを摂るよりも、グルコサミンが含まれる食品のエビ・カニ・山芋・オクラなどを食べた方が良いのです。
栄養素だけ取り出したサプリメントの多くは効果がなく、危険なものまであるそうです。
DHA・EPA
青魚に含まれる必須脂肪酸「DHA・EPA」は、高血圧の改善や心臓病リスク低下効果があるります。
しかし、DHA・EPAをサプリメントで摂取した場合も、死亡リスクが改善していないとの研究結果がありあるのです。
クロレラ
健康に良いと言われる「クロレラ」も、長らく人気の健康食品です。
細胞でも実験は、ガンを撃退する効果ありました。
この情報だけ見ると、ガンに効果があると期待してしまいますが、これは細胞レベルでの効果があるというだけで、人が摂取した場合には効果は不明なのです。
ヒアルロン酸
「ヒアルロン酸」は美容に良いと言われます。
しかし、注射器で肌に入れるのであれば、効果がありますが、サプリメントで摂取した場合の美容効果は実証されていません。
カルシウム
女性は男性よりも、「骨粗しょう症」のリスクがあり、高齢女性の中には背中の骨を折って、寝た切りになる人もいます。
そのため、サプリメントで「カルシウム」を摂取する人がいます。
しかし、サプリメントで摂取する場合は、食事に含まれるカルシウムの量を考えて取らなけらば危険です。
カルシウムを摂取しすぎると、「高カルシウム血症」になり、重症化すると脳に障害が起きたり、昏睡状態に陥ることもあるのです。
また、高カルシウム血症は、カルシウムのサプリメントだけでなく、「ビタミンD」のサプリメントを飲んでいても起きます。
ビタミンDには、カルシウムの吸収を促進する効果がありますが、取り過ぎると害になってしまうのです。
亜鉛
免疫力をアップさせると言われる「亜鉛」も、過剰摂取に注意が必要です。
亜鉛の吸収は、「銅」と同じ経路で吸収されるため、亜鉛が増えると体内の銅が不足します。
銅が不足すると貧血を起こし、頭痛やめまいなどの症状がでます。
また、亜鉛のサプリメントに一緒に含まれることがある「マカ」にも、摂取には注意が必要です。
マカは「精力剤」として有名ですが、過剰に摂取すると、肝臓にダメージを与える危険性があります。
効果は証明されていない
サプリメントの多くは、「食品」です。
メーカーは販売するために、効果があるように謳っていますが、実際には証明できないため、あいまいな言葉で表現しています。
「栄養が偏りがちな人に」「健康維持に」など。
サプリメントの中には、「機能性表示食品」というものがありますが、こちらは効果をパッケージに記載ができます。
しかし、メーカーの実験で効果が実証されていても、医薬品のように、国で決められた基準で実験が行われたわけではありません。
危険なサプリ一覧
薬は効果が実証されているため、効き目がありますが、サプリメントや健康食品は効果が実証されていないため、医薬品と認定されません。
つまり、効き目はさだかではないのです。
多くの人は、サプリメントで手軽に、健康な体を手に入れようとしますが、そう簡単にはいかないということなんです。
健康への一番の近道は、バランスの良い食事を心がけることです。
≪参考文献≫
危険なサプリメント「現代ビジネス」