美容のデマ【筋膜リリース】マッサージでシワ改善しない

最近流行りの「筋膜リリース」、その仕組みを知らないと、必ず後悔することなりやすよ!

筋膜リリースとは、一般的には肩こり・首のこりをなくしたりすることで有名ですが、他にも顔のたるみにも使われることがあります。
今回は「顔のたるみと筋膜(きんまく)リリースの効果」について解説していきます。

筋膜リリースの歴史

筋膜リリースが始まった当初は、骨格のゆがみを治すことを目的としていました。
当時は強いマッサージをすることで顔のゆがみが治り、顔も体全体にも良い影響が得られることが期待されていました。

骨格矯正

筋膜リリースの他に、「お顔の骨格矯正(こっかくきょうせい)」という言葉もよく耳にしませんか?

顔面骨折の治療などの手術する、形成外科医にとっては懐疑的に思われていました。

「骨は簡単には動くことはない」という認識だからです。
顔の骨いろいろな骨が、組み合わさってできています。
「骨格矯正」をすると、骨の継ぎ目が動くというように思われるかもしれませんが、医学的には成人の顔の骨が動くということはあり得ません。

骨膜はがし

出典:TRIGGERPOINT

「骨格矯正」という言葉がなくなった後に、次に登場したのが「骨膜(こつまく)はがし」「骨膜ほぐし」です。
顔の骨の周りにある骨膜に注目され始めたのです。

その手法は以下の通りです。

  • 骨膜を移動させる
  • 骨膜を剥離する
  • 骨膜をマッサージで柔らかくする

形成外科医は、顔面骨の手術をするときに、骨から骨膜を剥がしますが、外から触ったぐらいでは骨膜は剥がれません。
形成外科医などから指摘されたことによって、骨膜リリースなどの言葉は徐々になくなっていきました。

筋膜リリースの効果

出典:ヨミドクター

「骨格矯正」、「骨膜はがし」の次に誕生したのが、「筋膜リリース」という言葉です。
筋肉の周りには筋膜があり、筋肉を包んでいるので、多少の信憑性はあります。

仮に筋肉を包む筋膜が固くなってきたとして、その部分をマッサージすることによって筋膜が柔らかくなるとします。

その結果、肩こりや首のこり、筋肉痛などの「こり」が改善される可能性はあるかもしれません。

上手なマッサージをすれば、良い効果が得られる可能性はあります。

筋膜リリースは顔NG

顔の筋膜リリースは、形成外科医からすれば、逆効果だと考えられています。

たるみ治療の目的での筋膜リリースは、逆にたるみを促進してしまうと医学的には考えられています

仮にこの部分に筋膜リリースを行い、筋膜が柔らかくなったとします。

しかし、骨と皮膚をつなぐ靱帯まで緩んでしまい、たるみの原因につながります。

筋膜リリースの全てが、悪いわけではありません。

  • マッサージで血流を良くする
  • マッサージでリラックス効果

以上のような効果を目的に行うのであれば、顔のマッサージの意味があります。

しかし、顔のたるみを改善ために、筋膜を緩めるような施術を受けることはおすすめできません。

筋膜リリースを完全に否定するわけではなく、顔以外の骨格に関しては、筋膜リリースの効果期待はできます。

ほうれい線

筋膜リリースや顔のマッサージを受けるときに、気になる方が多いのが「ほうれい線」です。

顔の筋膜リリースで、ほうれい線のところを引き上げて、マッサージをする場合があります。

マッサージ直後は、物理的にシワを引っ張るので、シワが目立ちにくくなるかもしれません。

例えば、水分によるむくみがある人は、一時的にむくみが取れてスッキリした印象になります。
物理的に組織が、上に引っ張られることによる作用なので、一時的な効果でしかありません。

原理的には一時的な効果であり、すぐに元に戻ってしまいます。

マッサージを受けた際には、肌の活性化のような反応も起こる可能性はありえます。

しかし、強い筋膜リリースやマッサージをやり過ぎると、組織、皮膚、骨、骨と皮膚をつなぐ靱帯などが緩むため、強くやり過ぎないことが大事です。

美肌へ導く

美容皮膚科医が教える「完全毛穴レス肌」を叶える8つの美肌習慣

この本は美容皮膚科医が教える、正しい美肌の習慣をまとめた本です。

Amazonではベストセラーとなっています。

≪参考文献≫
 顔のほうれい線「つかはらクリニック」