冬になると静電気が発生しやすくなります。
何かに触れた瞬間、パチッとくる痛みに不快感を感じている人も多いでしょう。
では、なぜ冬に静電気が発生するのでしょうか?
今回は静電気の発生の仕組みと、防止方法を解説していきます。
静電気が発生しやすくなる条件
冬は静電気の発生が増加します。
その理由は空気の乾燥にあり、気温25度以下、湿度20%以下の環境で発生しやすくなります。
静電気を予防するためには、室内を快適な温度に保ちつつ、乾燥を防止するために加湿器などで、湿度を35%以上に保つようにしましょう。
湿度が上がれば、部屋の温度が少し低くても、暖かさを感じやすくなり経済的です!
静電気を逃がす
車のドアなどで、バッチっとした強い痛みを感じたことがある人は多いでしょう。
いきなり指先でドアに触れると、狭い部分から急速に放電が起るので、強い電気の衝撃を感じます。
ドアに触れる時は指先ではなく、手のひらで触るように工夫をすれば、衝撃の軽減は可能です。
また、壁などを触って自分の体の電気を逃がした後で、ドアに触れば静電気の発生はほとんど減ります。
静電気を防ぐ4つの技
静電気は生活すうえで必ず発生してしまいますが、軽減することは可能です。
1.湿度を下げ過ぎない
2.衣類の素材を気を付ける
3.柔軟剤を使う
4.静電気防止スプレーを使う
湿度35%以上
静電気の発生を防ぐには、湿度35%以上を維持できるように、加湿器を使うといいでしょう。
湿度が増すと、暖房の温もりを感じやすくなるので、経済にも良い効果をもたらします。
服の素材に注意
服の素材には注意が必要です。
服の組み合わせは「帯電列」で遠い素材を組み合わせると、静電気の発生確率が増加します。
帯電列とは、素材によってマイナスやプラスのどちらに帯びやすいかを示した図です。
「ポリエステルのスカートとナイロン製のタイツ」、「ウールのアウターとポリエステルのシャツ」などは、静電気が発生しやすい組み合わせです。
綿は帯電しにくい素材で、綿を取り入れたファッションは静電気の発生が軽減できます。
また、帯電しやすい素材でも同じ素材どうしなら、静電気の発生を軽減できます。
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柔軟剤
柔軟剤には静電気を防止する効果があります。
その仕組みは、柔軟剤の中に含まれるプラスイオン系の界面活性剤が、繊維へ吸着する性質があり、そして空気中の水分と結合し、電気を流す性質を持っています。
そのため、静電気が発生してもすぐに流れるのです。
また、柔軟剤によって生地の滑りが良くなり、摩擦が軽減され静電気の発生も減少します。
静電気防止スプレー
静電気の発生で困っている方には、静電気防止スプレーがおすすめです。
スプレーをすることで、スカートがタイツに張り付くのを防止できたり、ドアノブに触れた際の衝撃など、様々な静電気を防止してくれます。
また、花粉発生時期には花粉が服に付くことを防止します。
業務用なので超強力!
静電気が発生する原因
静電気は摩擦(こすれ合う)によって発生します。
人が動くと摩擦が生じるのですが、衣類と体、上着と下着、人体と空気など、様々な摩擦によって静電気が発生します。
摩擦によって静電気が発生する仕組みは、物体を構成している原子から電子が移動することです。
電子が移動して電気の性質が偏る、この状態を「帯電」といいます。
原子の構造
静電気の発生を詳しく解説します。
静電気の発生には、物質の中にある電気の移動が関わっており、その構造は下の図を見てください。
原子は、これ以上分割できない物質の構成単位になります。
電気的には中性で、電子はプラスの電荷をもつ1つの原子核と、それを打ち消す数のマイナスの電子から構成されています
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帯電とは
帯電とは、物体どうしが摩擦により電子が移動し、電気の性質に偏りが起きることです。
物体から電子を奪われると、負に帯電し(-になる)、逆の場合は正に帯電します(+になる)。
帯電列
静電気はあらゆるもので発生します。
プラスに帯電しやすいものと、マイナスに帯電しやすいものがあり、上の表が「帯電列」で、物質のよってどちらに帯電しやすいかを示しています。
静電気は繊維や人体だけでなく、金属などあらゆる物質で発生します。
「帯電列」の中の2つの物質をこすり合わせると、プラス側のものはプラスに帯電し、マイナス側はマイナスに帯電しやすくなります。
発生する静電気は、2つの物質が「帯電列」の中で離れているほど、大きくなることが分かっています。
ただし、同じ物質どうしを摩擦させた場合でも、必ず片方がプラスかマイナスのどちらかに帯電します。