海外では少しでも安いお酒を販売したり、購入する人がいるため「密造酒」が作られています。
そして、この「密造酒」には危険がはらんでいます。
海外では死亡者がたくさん出ているのです。
日本でも戦前には密造酒が出回っており、失明者が多く出ています。
世界各国で「密造酒」による事故が起きているのです。
ではなぜ、事故が起きたのでしょうか?
実は死亡者・重傷者がでた密造酒には「メタノール」が入っていたのです。
◉アルコールの種類
お酒にはアルコールが含まれていますが、その成分は「エタノール」です。
「エタノール」は、体の中では肝臓で分解され、悪酔いや頭痛の原因となる、アセトアルデヒドになります。
さらに分解されると害のない「酢酸」へと分解されます。
死亡者がでた密造酒には、「エタノール」だけでなく、「メタノール」が含まれていたのです。
「メタノール」は、アルコールの一種ですが、別名メチルアルコールとよばれ、ホルマリンの原料やアルコールランプなどの燃料として使われます。
車のウィンドウウォッシャー液にも数パーセント含まれています。
※手の消毒液にはエタノールは通常は含まれていませんが、コロナ過で消毒液が品薄になり、ネット通販では体に害のあるものが販売されていた事例があります。
「エタノール」とは違い、人体に有害な化学物質で、体の中で分解されるとギ酸(蟻酸)を大量に生成し、失明や代謝異常が起き、最悪の場合死に至ります。
◉お酒を安く作るため
こんな危険な「メタノール」がなぜ、お酒の中に入っていたのか?
実はお酒を安く作るためだったんです。
お酒の製造コストを下げるために、もし水を入れてしまえば、アルコールが減るのですぐに消費者に分かってしまいます。
しかし、工業用で使用される「メタノール」は値段が安く、入れても、アルコール濃度は変わりません。
さらに、そこにフレーバー(味)を付けてしまえば、消費者には分からないと製造した者は思ったのでしょう。
「メタノール入りの密造酒」を飲んだ人は、飲んですぐには症状が現れません。
その理由は「毒密造酒」を飲むと、まず体の中では先に「エタノール」が分解され、その後に「メタノール」が分解されるからです。
◉解毒に缶ビール
ベトナムでは「メタノール入りの酒」を飲んだ、中毒患者に対して、缶ビールを15本投与したという事例もあります。
アルコールの分解は「エタノール」から進むために、行われた処置です。
缶ビールを投与しながら、血液透析を行い毒を除去し、患者を助けることができたのです。
◉実話の映画
チェコで起きた「メタノールを使った密造酒事件」は映画化もされました。
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