最近、近所にから揚げ屋さんが増えたと思いませんか?
2020年代は空前の「から揚げブーム」です。
そこで今回は、化学の力で、から揚げを美味しくする方法をご紹介します。
お伝えする内容は、日本テレビの「所さんの目がテン」で紹介されていた方法で、プロの技から、ご家庭でも簡単に、美味しくできる技をご紹介します。
から揚げ専門増加
から揚げ専門店は増加傾向にあります。
日本唐揚げ協会の調査によると、「から揚げ」の店舗が、2018年が1,408店舗に対し、2020年は2,445店舗になったことが明らかになっています。
なんと、たった2年で「から揚げ店」が約2倍に増加したのです。
から揚げ店の増加には、国民の食の志向が関係しています。
ニチレイフーズの調査が行った、好きなおかずランキングで、「から揚げ」は1位。
2位は焼き肉、3位は餃子という結果でした。20201年調査
これだけ、「から揚げ」が好きな人が多い日本だから、店舗がどんどん増加したんですね。
さらに、同調べで、年間の「から揚げ」消費量は、推計で402億個とでした。
食肉の卸売価格
鶏肉の価格にも注目してみると、鶏肉はお得!
「から揚げ」に使用されることが多い、鶏ももは140円/100ℊ
同じ100gで豚もも176円・牛もも409円「農林水産省(食鶏市況状況)農産振興機構」2022年1月価格
これだけ、価格に大きな開きがあるのです。
安い鶏を使うことで、自宅でも手軽に作ることができるため、「から揚げ」が好きな人が増えるという、仕組みが出来上がっているんですね。
さらに、「から揚げ」の良い点は、価格だけではありません。
作り方も簡単!
お肉にした味を付ければ、「水・小麦粉・卵」を付けて揚げるだけなんです。
同じ揚げる料理で、「とんかつ」がありますが、こちらは作る工程がたくさんあります。
豚肉に塩コショウを振った後は、パン粉を付けるために、肉に小麦を付け、卵に浸してからパン粉を付けます。
作業工程が多いため、しょっちゅう家庭で作るという人は、多くはいませんね。
から揚げ実験(鶏・牛・豚)
「から揚げ」を作る際は、柔らかくジューシーに仕上がるため、「鶏もも肉」を一般的に使われますが、牛や豚で「から揚げ」を作ると、美味しさはどうなるのでしょうか?
鶏もも・牛もも・豚ももの3種類で、から揚げを作る実験が行われました。所さの目がテン
内容は3種類のもも肉を、食べやすい大きさにカットして、下味をつけ、小麦粉をまぶして、油で揚げるという、全て同じ工程を行いました。
出来上がった、3種類のお肉の硬さを計測します。
結果は?
まずは、3種類のお肉を食べてみます。
鶏もも…ふっくらジューシー
豚もも…繊維がぎゅっとつまり、肉汁少なめ
牛もも…繊維が目立ち、肉汁すくなめ、硬くパサパサ
次に、硬さを計測(厚さ1㎝まで機械で力をかけて、肉の柔らかさを計測します。
鶏9.94N 豚40.45N 牛27.57N
このような結果になりました。
数字が大きいほど、硬いということになります。
3種類の「から揚げ」を作ると、牛肉は鶏肉の3倍、豚肉は4倍の硬さになったのです。
肉が硬くなる理由
上記の実験の内容で、牛肉や豚肉が、油で揚げると硬くなるということが判明しましたが、なぜ、お肉は硬くなるのでしょうか?
実は、お肉に含まれるたんぱく質が影響しているんです。
加熱すると、肉が凝縮・収縮します。
つまり、小さくなって、硬くなるのです。
牛や豚のもも肉は、65℃付近で、凝固収縮する「筋原線維タンパク質」などの割合が多いため、高温で揚げると硬くなり、筋っぽくなってしまうのです。
肉が小さくなることで、肉汁となるはずの水分が押し出され、ジューシーさも失われてしまいます。
そのため、牛もも肉を料理する際は、赤みが残る程度で調理し、薄切りにする、ローストビーフがおすすめの料理になります。
また、豚ももは、薄切りにして、しゃぶしゃぶや炒め物にしたり、長時間煮込みでやわらかくして食べることが適切な調理法です。
牛や豚を高温の油で揚げて、調理する際には脂肪が多い部分を使ったり、他の部位を使うことがほとんどです。
鶏ももは、凝固収縮するタンパク質が比較的少ないため、高温で揚げても、ふっくらジューシーに仕上がるというわけなんです。
冷めても美味しい肉
冷めても美味しい料理やお肉は何か?
実は、冷めても美味しい料理には、油が大きく関わっています。
イメージしてみてください、「冷えた牛のステーキ」
どんな印象を受けますか?
硬そうだと思いませんか?
では、「冷えた鶏のから揚げ」はどんな印象ですか?
温かい方が美味しいですが、冷えていても、美味しく感じ、食べやすい硬さですね。
その訳は、鶏の脂というのは、牛や豚に比べると、低い温度で溶けやすいという特徴があります。
脂の融点は、鶏30℃前後・豚40℃前後・牛45℃前後
鶏の脂は口の中の温度で溶けるから、冷めても美味しく食べることができるんですね。
カリカリの衣を作る技
肉の性質が分かれば、次は本格的な「から揚げ」作りです。
から揚げ専門店が行っている、「カリカリの衣」の作り方をご紹介します。
- 鶏モモを食べやすい大きさにカット
- タレを手でしっかり揉み込む
- 一晩冷蔵庫で寝かせる
- 肉にでん粉を付ける
- また、一晩冷蔵庫で寝かせる
- 180℃で6分揚げる
この工程には、多くの秘密が隠されています。
タレを揉み込んで寝かせるのは、味を肉に浸み込ませるためです。
そして、衣には「でん粉」を使います。
馬鈴薯(ばれいしょ)のでん粉は、ジャガイモのでんぷんですが、片栗粉の原材料として、多く使われています。
でん粉を衣に使うと、ザクザクの状態に仕上がります。
から揚げの衣に使われている、小麦粉にはタンパク質が比較的多いため、「しっかり・ずっしり」とした衣になります。
一方、「片栗粉・でん粉」は、油を吸収する量が少ないため、ザクザクした仕上がりになります。
でん粉を付けてから、もう一度、一晩寝かせるのには、お肉の水分を衣に移すためです。
そして、水分を含んだ衣を、高温の油で揚げることで、衣の中の水分を蒸発させ、カリカリ・ザクザク食感が生まれるのです。
通常、片栗粉で作った衣は時間が経つと、お肉の中の水分を吸って、ベチャっとなりやすいのですが、一晩寝かせることで、衣がお肉表面の水分を吸って、さらに、揚げて蒸発させているため、時間が経ってもザクザクした食感のまま味わえるのです。
鶏むね・ふわふわ唐揚げ
鶏むね肉でも、ふわふわジューシーな唐揚げの作り方は、から揚げ専門店「鶏笑(とりしょう)」の技をご紹介します。
むね肉は、パサパサした印象ですが、プロの技を使えば、とっても美味しく作ることができます。
- 皮を外し、不要な脂をとる
- 食べやすい大きさにカット
- タレに付け込む(※重要)
- 100回揉み込む
- 2晩寝かせる
- 片栗粉をまぶし、粉を落とす
- 180℃で5分揚げる
むね肉をパサパサさせないために、重要な工程は、タレ(※重要)になります。
醤油をベースで、ニンニク少々、生姜を多めに使用します。→タレの参考はこちら
タレには、生姜をたくさん使うというのがポイントです。
生姜に含まれる酵素が、肉のタンパク質を分解し、収縮を防止するため、肉汁もとどまりやすくなるのです。
そして、100回混ぜ込むのは、肉に味を浸み込ませるのと同時に、生姜の作用を十分に発揮させるため行います。
その後、2晩寝かせますが、1晩では酵素の作用が足りず、パサパサ感が抜けないため、2晩寝かせます。
揚げる前に、片栗粉をまぶし、余分な粉をしっかり落として、180℃で5分揚げます。
ご家庭で作る場合は、温度管理が難しいため、冷蔵庫で寝かせるのは1晩にしましょう。
(冷蔵庫の開け閉め、作る量が少ないなどで、温度が上がる可能性、衛生的な問題のため)
鶏むね・ふわふわ唐揚げ「家庭」
プロの技をご紹介しましたが、ご家庭で作るには、時間がかかり過ぎますね。
目がテンでは、化学の力で、「鶏むね肉」をご家庭で美味しく作る方法を紹介されました。
- 皮を外し、食べやすい大きさにカット
- 袋に水大さじ2・砂糖小さじ2・塩小さじ半
- 袋に、肉を入れて揉み込む
- 冷蔵庫で30分寝かせる
- 袋にタレをいれる(※タレ)
- 揉み込んで、冷蔵庫で30分寝かせる
- 袋に小麦粉を入れる
- 油少なめ、180℃で5分揚げる
ご家庭では、時間をかけて浸けこむという作業が難しため、化学的な作用を利用して、むね肉を柔らかく調理します。
最初に、砂糖・塩水に浸けるのは、ジューシーさを保つためです。
砂糖は、保水力があるため、肉汁を留める効果があります。
そして、塩は肉の中のタンパク質の一部を溶かすため、肉を柔らかくする効果があります。
30分寝かせた後で、※タレ(生姜汁大さじ1・醤油小さじ1・酒小さじ1・すりニンニク1かけ・酒小さじ1)を入れ、揉み込み、また、30分冷蔵庫で寝かせます。
袋に、直接小麦粉を全体に行きわたらせます。
油の量は、肉が表面に1/3出る程度。
180℃で5分揚げる、揚げる際は、肉を返して両面しっかりと揚げます。
テレビを見ていた印象では、衣のサクサク感は見えなかったため、サクサクよりも、ふんわりジューシーに仕上がるイメージだと思います。
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